介護車両を中古で購入するメリットとは?その理由と種類を解説!
新車で介護車両を購入したくても、予算や条件が合わずに選べない人もいることでしょう。
新車と比べれば中古車の方が安いため、入手しやすいことも特徴の1つ。中古車サイトなどで開催されているオークションでは、補助装備が搭載されている介護車両を実際に購入することが可能です。また事業者向けの大型車や個人向けの軽自動車など、さまざまな車種が販売されています。
しかし、中古の介護車両は購入後のメンテナンスや維持費でデメリットを生じることがあるため、妥協しなければならない点があることには注意が必要。本記事では、介護車両を中古で購入する理由やメリット、おすすめの種類などについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
介護車両は中古でも購入できる
介護車両は中古市場において一定の需要が担保されていますが、その理由の1つに高齢化社会の加速が挙げられます。また、高齢化社会における介護車両の需要に比例して、中古市場の伸びが確認できます。
「カーセンサー中古車購入実態調査2022」によると、2022年の費用総額(中古車市場規模)は3兆5,578億円とのこと。また、一般社団法人日本自動車販売協会連合会の統計データによると、2022年1〜12月の中古登録車は3,227,761台と推計されています。
このように、介護車両の販売台数が年々増加傾向にあるため、中古市場において需要やニーズは今後も伸びるでしょう。
ここからは、中古の介護車両の特徴について解説していきます。
介護車両とは
介護車両とは、身体の不自由な高齢者や障がい者が利用できる福祉に特化した車両のこと。新車で購入する場合は高額になることがあり、中古で検討するケースも少なくありません。
また、行政から受ける補助金や寄付金で賄うケースもあり、介護車両の購入方法にはいくつかの買い方が存在します。一般的に介護車両を中古で購入する際は、中古車サイトや自動車メーカーが手配しますが、選び方やメリットをしっかりと理解しておくことが重要。また、中古の介護車両は不具合や故障が頻発することがあるため、注意が必要です。
中古の介護車両であれば納車の手続きにおける煩わしさが軽減されるため、新車と比較すると容易に入手できるでしょう。
介護車両の特徴については、下記の記事をご覧ください。
中古車サイトで購入できる
介護車両を中古で購入する方法の1つとしては、中古車サイトでのオークションが挙げられます。
しかし、最終入札で価格が確定するため、一般的には決められた予算内で済むように入札することが重要。中古の介護車両をオークションで購入する場合、入札金額が急激に跳ね上がることがあるため、その際は入札を辞退し次の機会を待ちましょう。
価格の相場としては、中古の軽自動車の介護車両で約125万円ですが、福祉に必要な装備などを搭載すればそれなりに費用が嵩みます。これが、普通乗用車の介護車両であれば約500万円が相場となります。
そもそも福祉車両の新車は高額な傾向があるため、費用面で考慮した場合は中古で購入をすることが賢明な判断といえます。
介護車両を中古で購入すべき理由
介護車両を中古で購入すべき主な理由としては、購入時にかかる初期費用が挙げられます。下記に、介護車両を中古で購入すべき理由を3つにまとめました。
- ●購入費用が安い
- ●納車時間が短い
- ●高い装備品が付属されてお得
介護車両を新車で購入する場合は高額ですが、中古であれば初期費用も安く済ませることができます。また新車の場合、購入後にメーカーが福祉に必要な装備品を搭載してから納品となるため、それなりに期間がかかります。
そもそも中古の介護車両には、高額な装備品が搭載されたまま競売にかけられていることがあるため、お得に購入できることも理由として挙げられます。
介護車両を中古で購入すべき理由がいくつか挙げられるなかで、運用上、大きなメリットにつながることがありますのでよく検討して判断しましょう。
これらの理由をふまえ、費用面や利用者のハンディキャップなどの条件が合致した際には介護事業者と個人の双方で、介護車両の中古購入をおすすめします。
介護車両を中古で購入するメリットとデメリット
介護車両は、身体が不自由な高齢者や障がい者が車内でも快適に過ごせるような環境でなければなりません。
また中古の介護車両は行政による免税措置や補助金、寄付金によって比較的安く購入できるメリットがある一方で、いくつかのデメリットがあることも留意しておきましょう。例えば、メンテナンス費用や装備品の買い替えなど維持費がかかります。特に中古の介護車両を激安で購入した際は、装備品の不具合や故障などのトラブル発生が頻発することがあるため、よく確認をして導入しましょう。
しかし、介護車両を中古で購入する際のメリットやデメリットについて、詳細が分からない人も少なくありません。特に介護事業者にとって介護車両の必要性は大きく、個人にとっても大きな費用をかける意味では、購入する際によく吟味することが重要です。
ここでは、介護車両を中古で購入するメリットとデメリットを解説しています。
メリット
介護車両を中古で購入する4つのメリットを、下記にまとめました。
- ●中古なら安く購入できる
- ●補助金や助成金で対応可能
- ●クラウドファンディングや寄付金で入手可能
- ●消費税の免税や減税対象となる
介護車両を中古で購入する場合、新車で購入する場合より安く購入できます。
また新車の場合は介護車両の納車に時間がかかるため、急を要する場合は中古がおすすめ。さらに行政から補助金や助成金を受けることができるため、費用面の負担軽減にもつながります。
その他、クラウドファンディングや寄付金によって購入資金を集めやすいところは魅力的といえるでしょう。
ちなみに、中古の介護車両は消費税の免税や減税対象になるため維持費の負担も軽減しやすいです。介護車両の運用で利用できる制度は、積極的に活用しましょう。
デメリット
介護車両を中古で購入する3つのデメリットを、下記にまとめました。
- ●燃費が悪い
- ●装備品の経年劣化
- ●購入後の不具合
中古の介護車両は、福祉に関連する重量のある装備が搭載されているだけでなく、経年劣化が原因で実は燃費がよくありません。また、購入後の不具合も頻発しやすいため、正しい選び方を心がけることが重要です。
中古の介護車両に納得できない場合は、レンタルも検討してみてはいかがでしょうか。介護車両をレンタルする方法やメリットなどについては、下記の記事をご覧ください。
中古の介護車両における選び方
中古車サイトやオークションで介護車両の販売が可能ですが、その選び方について分からないという人もいることでしょう。
中古の介護車両の購入価格は新車と比較すると安く、入手しやすい傾向がありますが、経年劣化や不具合などの観点から必ずしもおすすめできるとは限りません。しかし、正しい選び方をすれば中古の介護車両でも長期間、運用し続けることができます。
ここでは中古の介護車両における選び方について、介護事業者と個人でそれぞれに留意すべきポイントをまとめました。なかでも共通項目としては、下記のとおりです。
- ●人が乗り込める十分な広さかどうか
- ●介護車両の内装とにおい
- ●中古で購入した際の付属品
- ●利用する人の不自由さの度合いと合致している
- ●駐車場の広さと介護車両の大きさ
それでは、詳しくみていきましょう。
介護事業者での選び方
介護事業者が中古で介護車両を購入するケースとしては、事業規模が小さく介護報酬が少なかったり急遽、介護車両を手配しなければならなかったりすることが挙げられます。
介護事業者は、厚生労働省が総括する仕組みのなかで介護車両を運用しなければならず、事故や怪我につながる危険性が伴う場合は適切な措置を取らなければなりません。そのような危険性を回避するためにも、正しい方法で中古の介護車両を選びましょう。
ここでは、介護事業者向けに中古の介護車両の選び方をまとめました。
・車椅子に人が乗った状態で乗車できる
車椅子に人が乗った状態でも、スロープを使えば介護車両に乗車できます。介護事業所の職員が車椅子を押しながらスロープを進むことで、安全かつスムーズに行えます。
・人が乗り込みやすい
利用者だけでなく介護事業所の職員も乗車するため、車内スペースが広いかどうかも選び方のポイントといえます。各座席の幅や荷室の幅を確認しましょう。
・車内の高さ
介護車両における車内の高さが低ければ頭が当たり、怪我の危険性があります。車内の高さは、なるべく高いほうが安全に乗り降りできるでしょう。
・介護車両の内装
中古の介護車両の場合、車内に傷がついてることがあります。内装の傷や破損箇所が福祉装備の動作に支障をきたす恐れがあるため、よく確認することが重要です。
・車内のにおい
中古の介護車両を選ぶ際は、車内のにおいも気にしましょう。前オーナー由来のにおいが不快感の原因となったり衛生上、問題になったりすることがあるため注意が必要です。
・中古購入時の付属品の有無
中古の介護車両では、装備専用の付属品の有無も選び方の重要ポイントです。回転シートに体を固定するベルトや車椅子を固定するための装置などの付属品がしっかりと揃っているかどうかよく確認しましょう。
個人での選び方
個人で中古の介護車両を購入する際は、身体に不自由を抱える高齢者や障がい者が自力で運転するケースや家族が運転する場合を想定して選ぶことが重要。介護車両における日々のメンテナンスや自宅の駐車スペースなど、個人の日常生活に深く影響するため、ライフスタイルを考慮した選び方をしなければなりません。
また自力や家族が運転することによる「車内の快適さや操作性」は、ハンディキャップの度合いでも変わるため選ぶ際は注意が必要です。
ここでは、個人向けに中古の介護車両の選び方をまとめました。
・運転しやすい
身体の不自由な高齢者や障がい者が中古の介護車両を運転する場合、補助装置による操作性をみることが重要。また家族が運転する場合は、ハンドルの操作性や安定しやすい姿勢を維持することができるなど、運転のしやすさで選びましょう。
・身体のハンディキャップと合致している
身体の不自由さの程度によって、介護車両を選ぶことは重要なポイントの1つ。運転者のハンディキャップを意識するだけでなく、試乗しながら正しく選びましょう。
・日常生活で使いやすい
中古で購入した介護車両が、日常生活で使いやすいかどうかも選び方の判断ポイントです。介護車両の大きさや確保している駐車スペースも考慮しましょう。
どの介護車両を中古で購入すればよい?ピンポイントで不便解消
中古市場では、いかに良質な介護車両を探し出せるかどうかで今後、どれだけ長く乗り続けられるのかが決まります。
つまり中古の介護車両は選び方を間違えると可動性や持続性、費用面で大きな影響を与えてしまい、せっかく購入してもすぐに買い換えなければならないケースに陥る危険性があるということ。中古の介護車両の選び方は理解できても、実際にどれを購入すればよいのか分からないという人もいることでしょう。
中古でおすすめの介護車両を、下記にまとめました。
- ●回転スライドシート搭載型
- ●車椅子が搭載可能な介護車両
- ●シートの回転昇降が可能な介護車両
回転スライドシート搭載型の介護車両は、助手席や2列目のシートが回転したりスライドしたりすることが特徴的。足腰が弱くなってきた人におすすめの介護車両です。
また、車椅子を普段から利用している人は車椅子の搭載可能な介護車両を選ぶことがおすすめ。スロープ付き車両や電動式リフト付き車両などが挙げられますが、基本的には車椅子からシートへ移ることが難しい人におすすめです。その他、シートが回転し昇降可能な介護車両も存在します。
中古車サイトやオークションでは、車椅子が搭載できる介護車両の取り扱いがあります。その選び方とその具体的な方法については、下記の記事をご覧ください。
まとめ
今回は、介護車両を中古で購入する際のメリットや選び方、注意点について解説してきました。
介護事業者と個人では介護車両を中古で購入する目的や用途が大きく異なりますが、車内環境や利用する人の不自由さの程度などは、福祉のなかでも共通認識として捉える傾向が強いです。
そもそも介護車両を中古で購入する理由は、納車における一連の手続きが手軽なだけでなく、安く入手できることなどが挙げられます。そして市場では、中古の介護車両でも保管程度が良好な場合もあります。
選び方を間違えなければ長期間乗り続けられるため、目的と用途に合致した介護車両を見つけることが重要。快適に移動するためにも、ぜひ快適な乗り心地を意識した選び方で中古の介護車両を探してみてはいかがでしょうか。