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2022年12月24日 【最終更新日】2023年7月3日

介護・福祉の知識

車椅子を車に積む方法は?注意点や車種の選び方を解説!

車椅子での移動に抵抗を感じている利用者もいるなかで、介護福祉の業界ではさまざまな取り組みが行われています。例えば、車椅子が積める車が挙げられますが、具体的に乗せる方法や注意点などが分からない人もいることでしょう。

また、車椅子を普段利用されている高齢者や障がい者でも、正しい方法で車を選べば運転できます。

本記事では車に車椅子を乗せる方法や積む際の注意点、車種の選び方などについて解説しています。

ぜひ、最後までご覧ください。

車椅子の利用者は車を運転できる?

車椅子の利用者のなかには、自力で車を運転できるのか不安に感じている人もいることでしょう。

結論をいえば、車椅子の利用者でも車を運転することは可能。しかし、車椅子マークの提示など、運転する際に必要なポイントがいくつか存在します。

ここでは、運転免許取得者等教育の認定に関する規則を根拠に車椅子の利用者が運転する際の手続きや注意点について解説します。

運転補助装置の搭載

車椅子の利用者が運転する際は、特殊な適正検査を受けて免許を取得し、さらに運転補助装置を搭載した車が必要です。

そもそも、運転補助装置には手動タイプと足動タイプの2種類に分類されます。足が不自由な人が、手だけで運転できるよう設計された手動補助装置。そして、手が不自由な人が足だけで運転できるように設計された足動補助装置です。

運転する人のニーズに合わせて多種多様な補助装置があるため、車椅子や運転手のハンディキャップに応じて販売店などに相談することがおすすめです。

車椅子マークの手続きにおける法的根拠

車椅子の利用者が車を運転するための手続きには、下記の手順が挙げられます。

 ⒈法律に則って運転免許を取得する

 ⒉車椅子マークの購入

 ⒊車に車椅子マークのシールを貼る

 ⒋車椅子を載せて運転する

車椅子の利用者が車を運転するには免許センターで特別な手続きが必要ですが、そのなかで適正検査があり、体の不自由の程度によって運転の条件が異なります。適正検査に無事合格すれば運転できますが、実際に車に乗り補助装置の使い方や態勢維持などを練習しなければなりません。

また、よく街中で見かける車椅子のマークはあくまでも車椅子の利用者が車に乗っていることを示しており、必ずしも運転手が車椅子の利用者という意味のマークではありません。提示しなくても罰則はありませんが、必要な場合はホームセンターやカー用品店で購入する必要があり、数百円の費用がかかります。

車椅子を車に積む方法

車椅子の利用者はバスや電車での移動に抵抗を感じる人もいることから、一般的には

車で移動する傾向がみられます。しかし、自力で車椅子を載せたり持ち上げたりすることは難しく、介護福祉施設の職員や家族のサポートが必要とされるケースも少なくありません。

また車椅子には軽量型や重量型など、いくつか種類が存在するため、車に載せる際には形状や重さなどに合った積み方をすることが重要です。

ここでは、車椅子を車に積む方法を3つのポイントで解説しています。また、その具体的な手順を下記にまとめました。

 ⒈車の荷室を広げる

 ⒉車椅子を折り畳む

 ⒊車に折り畳んだ車椅子を載せる

それでは、詳しくみていきましょう。

車椅子の大きさに合わせて荷室の広さを調整する

車に車椅子を載せる場合、大きさや形状に合わせて荷室の広さを調整する必要があります。

後部座席を倒しフラットにして、できるだけ段差がない状態にしましょう。フラットにできない車の場合は、後部座席をできるだけ前に倒してトランクに車椅子を載せます。

車椅子をコンパクトに折り畳む

車椅子をコンパクトに折り畳むことができれば、比較的小さい車でも載せることができます。

折り畳み幅を短縮すれば、横に倒して車のトランクにスムーズに収納することが可能。折り畳み方は、各車椅子メーカーの商品説明書を確認すれば簡単にできます。

また直接、車椅子のメーカーに問い合わせることでも確認できます。

電動式のクレーンリフトを使用する

軽量型の車椅子は、一般的には12〜13㎏の重さですが、電動型の車椅子は30㎏を超える場合があります。

重くて車に積めないこともありますが、電動式のクレーンリフトを使用すれば人為的にも大きな負担を生じずに載せることが可能。車椅子を折り畳み、電動式のクレーンリフトに吊り下げながらアームを回転させてトランクに車椅子を載せます。

しかし、電動型のように重い車椅子の場合は、折り畳むことで逆に幅広になるため注意しましょう。

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車椅子を車に積むときの注意点

車椅子を車に積む方法とその手順については、理解できたことでしょう。しかし、車椅子を乗せる際に車に傷がつかないよう細心の注意を払う必要があったり積んだ後に固定したりするなど、いくつかの注意点があります。

ここでは、車椅子を車に積むときの注意点について、下記の5つのポイントで解説しています。

 ●腰への負担軽減

 ●車椅子のグリップの引っかかり

 ●荷室に車椅子を固定する

 ●車道で車椅子を積む際の通行者への配慮

 ●電動式クレーンリフトのメンテナンス

それでは、詳しくみていきましょう。

腰に負担のかかりにくい体勢で乗せる

車に車椅子を乗せる際は、腰に負担がかかりやすくなります。

腰痛や脚の関節痛の原因にもなるため、車に車椅子を積む際は注意が必要。対策として、車椅子を持ち上げるときに前傾姿勢になることを避けるようにしましょう。

また持ち上げる際は、ゆっくり動くことで腰への負担軽減につながります。

車椅子のグリップが引っかかるため注意する

車椅子を車に乗せた際に、車椅子のグリップが引っかかる場合があります。

引っかかったままの状態だとドアが閉まらないなどの問題が発生するため、注意が必要。車椅子の取っ手を背折れ式グリップに交換することで、引っかかりにくくなります。

背折れ式グリップにするだけで、車椅子の高さ寸法が最大で約20cm短くなります。

車の荷室に車椅子を固定する

車の種類や収納補助装備によって、車椅子の固定方法が異なります。

車椅子を折り畳んだ状態で横に倒しながら荷室に積んで固定する方法や折り畳みせずに載せて車椅子用固定ベルトで固定する方法などがあります。

車椅子を積んだ後に固定せずに車を走らせると、倒れたり動いたりして事故の危険性があるため注意しましょう。

車道で車椅子を積む際の通行者への配慮

車道で車椅子を積む際は、通行者への配慮が必要です。

車椅子を乗せる前に、車の周囲に通行者がいないかよく確認してから積み込みを始めます。なるべく介護福祉施設の職員や家族など、複数名のサポートを受けながら積み込みを行い、通行している車や人との事故がないように注意しましょう。

そもそも車椅子を載せる時間がかかるため、歩行者や自転車が車の横を通過する危険性を考慮すると停車時における想定外の出来事で難儀するケースも少なくありません。

運転手は道路交通法に基づいた手続きや交通における問題点などに対して、柔軟な対応が求められます。

電動式クレーンリフトの定期的なメンテナンス

電動式クレーンリフトは、定期的なメンテナンスが必要です。

個人所有の車だけでなく介護福祉施設が運用する車にも搭載可能な装備ですが、運転手目線での簡易点検だけでなく、整備を取り扱っている業者による定期点検も重要です。

電動式クレーンリフトの故障は、大きな事故や怪我の起因となる可能性があるため注意しましょう。

車椅子を積める車の選び方

車に車椅子を積む際は荷室の広さや重さなど、いくつか留意しなければならないポイントがありますが、車種で見極めることも重要。車椅子を乗せることができる車は限られているため、その選び方には十分注意しなければなりません。

例えば、普段利用している車椅子の種類や行動範囲、用途などに合った車を選ばなければ安心して外出できなくなるため注意が必要。そもそも、電動式の車椅子を普段から利用している場合は介護福祉施設の職員や家族など、数人のサポートがあってもなかなか持ち上げられないというケースも少なくありません。

このようなケースでは、電動式のクレーンリフトが搭載できる車種を選ばなければならず、車椅子を乗せることができる車の選び方は今後の安定したライフスタイルを過ごすうえで重要なポイントの1つです。

ここでは、車椅子を積める車の選び方について、下記の3つのポイントにまとめました。

 ●車椅子を折り畳んで積める車

 ●車椅子のまま乗れる車

 ●シートへの乗り降りをサポート

車椅子を折り畳んで積める車の代表例として、スズキワゴンアールやダイハツタント、ホンダN-BOXなどが挙げられます。基本的には、比較的小さい軽自動車でも車椅子を折り畳んで積むことは可能。しかし、利便性を求めるなら荷室の幅が広い車を選びましょう。

他にも、車椅子に乗ったまま車に乗れるトヨタシエンタやホンダフリードなど、おすすめの車種も存在します。また、シートへの乗り降りをサポートしてくれる装置が搭載されているかどうかも選び方のポイントとしては重要。シートの回転やリフトアップが可能な回転昇降シート車もあるため、目的や用途に合った選び方をしましょう。

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車椅子を乗せることができる車はどれがおすすめ?ピンポイントで不便解消

車椅子を積める車にはいくつかタイプが存在することが理解できたところで、実際にどれを選べばよいのか分からない人もいることでしょう。

車に車椅子を積むケースとしては、外出するなどの目的や用途が主に挙げられますが、具体的にどれがおすすめなのか迷う人がいることも事実。ここでは、介護で実際に行われている事例をもとに、車椅子を乗せることができる車のおすすめ情報を紹介します。

事例①|介護事業所の福祉車両に車椅子を乗せる

介護事業所の福祉車両は、主に外出や送迎などで使用されますが、車椅子を乗せて移動するケースも少なくありません。

実際の現場では、スロープやリフトで車椅子に人を乗せたまま積みます。例えば、介護事業所を利用される人で自力で車椅子を動かすことが困難な場合、職員が車椅子を押しながら荷室までスロープで乗せます。

車椅子を積める福祉車両については、下記の記事を参考にしてください。

介護で活用できる車は?福祉車両のメリットや種類を解説!

事例②|個人所有の車に車椅子を乗せる

個人所有の車に車椅子を乗せる場合は、大きく2つのパターンに分類されます。

 ●所有車を改装して車椅子を載せられるようにする

 ●自動車メーカーが福祉車両として生産した車を購入する

個人所有の車を購入して車椅子を載せる場合の事例として、日産セレナとホンダN-BOX、ダイハツタントを挙げます。

日産セレナでは車椅子を3列目に載せる「車椅子1名セカンド仕様」と2列目の「車椅子1名セカンド仕様」「車椅子2名仕様」「車椅子1名送迎仕様」が存在し、全部で4つの仕様から選べます。

またホンダN-BOXは、通常時でも大人4人が快適に過ごすことができ、リアシートもリクライニングすることが可能。車椅子を載せる際は倒した後席が床となり、その空間を広々と使えます。

そしてダイハツタントは幅広い年式が存在し、ラインナップは「スロープのみ」「スロープ+助手席ターンシート」の仕様から選べます。助手席への乗り降りも考慮されており、デザイン性と機能性の両方が魅力的です。

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まとめ

今回は、車椅子を車に積む方法とその注意点だけでなく、おすすめの車種などについても解説してきました。

車椅子を普段から利用している人の多くは、車で移動することを主な手段として考えている傾向がみられるため、車種の選び方に対して不安に思うこともあるでしょう。例えば、持ち運びしてくれる介護福祉施設の職員や家族に対して、普段使っている車椅子が重く気遣いしてしまうケースです。また車の荷室の大きさが気になって、心配になる車椅子の利用者も少なくありません。

介護福祉施設では、補助金などを活用して車椅子を積める車を配備している場合があり、移動のサポートも含めて相談することが可能。また自力で運転ができる車椅子の利用者であれば、目的や用途に合った車種の選び方をすることでライフスタイルの幅が広がることでしょう。

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