介護で活用できる車は?福祉車両のメリットや種類を解説!
介護の現場では、高齢者の送迎に福祉車両が活用されています。
しかし、介護でおすすめの福祉車両の特徴や種類、メリットなどが分からないという人もいることでしょう。トヨタ自動車を例に挙げると、ウェルキャブと呼ばれる福祉車両がリリースされていますが、社会では各自動車会社が介護業界に向けた車両を販売しています。
本記事では、介護で活用する福祉車両の特徴やメリット、種類などについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
福祉車両とは?
介護の現場では、身体が不自由な高齢者などが福祉車両を活用して地域を移動します。しかし、福祉車両の特徴について、具体的に知らないという人もいることでしょう。
福祉車両とは、病気や怪我などで歩行が困難な高齢者など、身体が不自由な人を対象として送迎に用いられる車両のこと。別名、車椅子対応車や介護車両とも呼ばれています。また高齢者だけでなく、障がい者の業界でも広く活用されています。
介護で活用される福祉車両の特徴
介護事業所の運用形態にはいくつか種類がありますが、病院や介護施設、障がい者福祉施設などの法人企業だけでなく個人が運営する在宅介護でも福祉車両を利用するケースは少なくありません。
しかし、福祉車両は一般的な車に比べて高価で用途も限定されてしまうため、導入に躊躇してしまう人もいることでしょう。例えば、福祉車両の用途として高齢者の買い物や私事の用事、病院受診、福祉施設の利用などが挙げられます。
また介護で活用されている福祉車両は、ストレッチャーや車椅子のまま昇降する種類と高齢者が自力で降りて車両に乗降する種類に分類されます。
そのため、福祉車両は介護において高齢者のニーズに合わせた選び方と使い方をしなければなりません。
福祉車両には補助装備がなされていますが、高齢者のニーズに合致していることが重要です。そもそも補助装備とは、高齢者が福祉車両に乗り降りしやすくするための装備であり、具体的にはスロープやリフトが挙げられます。
スロープとは、高齢者が車椅子に座ったまま乗り降りができる足場で、少し斜めになっていることが特徴的。一方で、リフトはスロープで乗り降りするための昇降装置のことです。
ちなみに生涯、福祉車両が必要な高齢者もいれば、一時的な怪我で活用することもあるためそれぞれのニーズに合わせた使い方をすることが重要。福祉車両の利用については行政の介護保険窓口、もしくは直接事業所に問い合わせることで相談できます。
福祉車両の需要
介護で福祉車両を活用したい場合は、行政や直接事業所に問い合わせることをおすすめします。もし、高齢者ご本人が相談しにくい環境であれば、ご家族もしくは代理人から問い合わせましょう。
なかには自車を改装して、高齢者が自分で運転できる装備を整えたほうがお得な場合があります。改装して運転するには、基本的に運転補助装置が必要ですが、手や左足で運転できる手動運転補助装置や片手で操作が可能なハンドル旋回ノブなどが挙げられます。
また、総務省統計局によると、2021年9月15日時点で65歳以上の高齢者が前年比22万人増加しています。
さらに、一般社団法人日本自動車工業会のまとめたデータでは、2018年における福祉車両の販売数は43,712台。前年比の100.5%という結果でした。
このような社会的背景から、介護業界では今後も需要の伸びが想定されています。
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福祉車両を利用するメリット
介護において福祉車両の重要性や特徴について理解できたところで、次はメリットについて解説します。
介護の現場では歩行が困難な人など、身体的に不自由を抱えている場合で主に用いられる福祉車両。介護における福祉車両のメリットについて、下記にまとめました。
●利用者のメリット
●介護事業所におけるメリット
●経費関連へのメリット
それでは、詳しくみていきましょう。
利用者のメリット
身体が不自由な高齢者の多くは、日常生活で難儀される場面も少なくありません。
特に高齢者が移動する際に、困難が生じやすいです。具体的な場面を下記にまとめました。
●買い物
●私事の用事
●病院受診
●介護事業所の通所
歩行が困難な高齢者は介護を必要としますが、そのなかで特に移動の支援は大きな課題の1つ。買い物や私用の外出、病院受診、介護事業所の通所などで福祉車両が活用できるところはメリットといえます。
介護事業所におけるメリット
介護事業所では、高齢者の身体不自由の度合いによって福祉車両の的確な運用がなされています。例えば、車椅子の昇降はもちろんのこと身体的に可動できる部位があれば、なるべく自力で福祉車両の乗り降りができるよう介護職員がサポートします。
そんな介護事業所における福祉車両のメリットには、具体的に何が挙げられるのか分からない人もいることでしょう。ここでは主に、下記の3つのポイントでまとめました。
●介護職員の負担軽減
●交通事故時における被害の最小化
●介護事業所の存在を地域にアピールできる
福祉車両の特徴として、ストレッチャーや車椅子に高齢者が乗った状態で乗り降りが可能だということは前述したとおり。高齢者を送迎する際の福祉車両の乗降で、介護職員の体力や怪我などを懸念しなくてよいところは、介護事業所におけるメリットとして挙げられます。
他にも、高齢者の送迎時に交通事故に遭遇した場合、トヨタ自動車がリリースするウェルキャブのように装甲が比較的頑丈な福祉車両であれば被害の最小化につながるところもメリットの1つ。また地域の道路を走行することで、福祉車両にペイントされている介護事業所のロゴや名称が目につくため、宣伝効果としてもメリットが期待できます。
費用面など経費に関連するメリット
介護事業所で福祉車両を導入する際は、補助金やリース契約を併用するケースがみられますが、具体的にどのようなメリットがあるのか分からない人もいることでしょう。結論からいえば、リース契約による初期費用の軽減や会計上における経費計上の猥雑さの回避などが主なメリットとして挙げられます。
福祉車両は主に介護事業所のような法人が運用しますが、リース契約の締結によって月額費用を経費計上することが可能です。
リース契約以外の場合、法人で所有している車などの財産を記録する帳簿(固定資産管理台帳)に取得年月日や価格、耐用年数などを記載しなければなりません。通年で減価償却していく手間を考慮すると、費用面においてもメリットにつながるといえるでしょう。
他にも、介護事業所における福祉車両の利用を行政に申請手続きすることで、消費税が非課税になったり自動車税環境性能割、また種別割の減免にもなったりします。しかし、福祉車両の減税措置を受ける場合、約5年おきに福祉車両の用途や目的、運用状況などの確認で行政から監査が入ることがあるため、しっかりと記録は残しておきましょう。
福祉車両を利用するデメリット
介護事業所では福祉車両を導入、運用することに対して大きなメリットがありますが、その一方でデメリットも挙げられます。介護事業所における福祉車両を利用する際のデメリットは、主に下記の3つです。
●リース契約の途中での解約は違約金がかる
●駐車場の確保が難しい
●燃費が悪い
介護事業所では福祉車両をリース契約するケースがあり、中途解約金がかかることがあります。介護事業所として福祉車両が不必要になっても、経費がかかることがあるため、注意が必要です。
また福祉車両を利用する場合、一般的には介護事業所の駐車場に停車しますが、ストレッチャーや車椅子などに対応した大きな車両が駐車しにくいという問題を抱えているケースも少なくありません。
さらに、高齢者本人だけでなく介護職員も複数名乗車することもあり、福祉車両の備品も合わせると重量過多になりがちです。そのため、燃費が悪くエネルギー代などの維持費がかさむデメリットがあることに留意しておきましょう。
福祉車両の種類
介護における福祉車両の特徴やメリット、デメリットについて理解できたところで、次は種類について解説します。
介護で活用できる福祉車両の種類は、主に下記の4つが挙げられます。
●リアスロープ
●リアリフト
●サイドリフト
●運転補助装置
それでは福祉車両の種類について、詳しくみていきましょう。
リアスロープ
介護ではリアスロープを活用した福祉車両が存在しますが、ストレッチャーや車椅子をそのまま押し込めるところが特徴的。介助者と一緒に車椅子のままスロープを使い、福祉車両へのスムーズな乗り降りができます。
車両後部から地面までスロープが接地しているため、車椅子のままで乗車しても不安感は軽減されます。
また、車両内で車椅子を手動固定ベルトもしくは電動固定ベルトでしっかり固定したうえで、シートベルトを着用するため安全です。
リアリフト
リアリフトの福祉車両も、介護では広く活用されています。
リアリフトとは、簡単な操作で昇降するリフター付きの福祉車両のこと。車椅子を普段から利用されている高齢者や介助者の人が安心して利用できます。
介護では多様な場面で移動手段として用いられるため、ミニバンタイプでリフトが搭載されている福祉車両も少なくありません。また、ハイエースのような大型車でなくても、日常生活のなかで利用しやすい車両もみられます。
サイドリフト
サイドリフトは、座席が回転し車外にスライドしながら昇降する装備を搭載した福祉車両です。
一般的には回転シートとも呼ばれており、助手席または2列目のシートが回転するところが特徴的介護の現場では身体的に不自由で福祉車両の乗降が困難な高齢者や病気、怪我による通院で移動がある人がよく利用されます。
またサイドリフトは、車椅子で移動する人にもおすすめの装備車両といえます。乗降をさらに快適にすることができるミニバンなどもあるため、環境や目的、用途に応じて選ぶことが重要です。
ちなみに、スライドアップシートやリフトアップなどさまざまな呼び方がありますが、いずれも同義の意味を持ちます。
運転補助装置付き
介護では、運転補助装置付きの福祉車両も活用されています。
運転補助装置付きの福祉車両とは足が不自由な人でも運転可能な、手動でアクセル、ブレーキ、ハンドリングの補助を搭載した車両のこと。純正メーカーが介護用福祉車両の制作時に取りつけたり、一般車を後から改装し取りつけたりします。
その他、訪問入浴車(移動式入浴車)や移動理髪車など、特殊な用途に利用できる福祉車両も存在します。
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どれを使えばよい?ピンポイントで不便解消
介護で福祉車両を活用することは、介助者の精神的な負担軽減にもつながるだけでなく、介護職員による体力的なサポートが受けられることにもつながります。
しかし、福祉車両の種類が多く、介護でどれを選べばよいのか分からないという人もいることでしょう。ここでは福祉車両の種類のうち、どれを選べばよいのかピンポイントで解説しています。
結論からいえば、利用される高齢者が自力で運転できない場合は、「スロープ」「リアリフト」「サイドリフト」のいずれかがおすすめ。杖や歩行補助器具で歩行を維持されている高齢者は、特にサイドリフトをおすすめします。
ちなみに、車椅子を常用されている高齢者であれば、リアリフトがおすすめ。スロープでも乗り降りできますが、リアリフトのほうが簡単な操作で昇降するため、快適に福祉車両を利用できるでしょう。介助者の負担軽減に大きくつながるため介護する側、介護される側の双方にメリットが大きいところは特徴的といえます。
ちなみに利用される高齢者が自力で運転を希望される場合は、運転補助装置付き福祉車両がおすすめ。足が不自由な人でも運転可能な手動でのアクセルやブレーキ、ハンドリングの補助が行える装置だけでなく、片手だけで操作可能なハンドル旋回ノブなどの装置が装備されています。
それぞれの持つ身体の不自由さや状況に応じて装着させるべき装置を選ぶことが重要ですが、そのような福祉車両があるからこそ、高齢者の安全と自立心を両立させるメリットが大きいといえます。
まとめ
今回は、介護業界で利用されている福祉車両の特徴やメリット、デメリットについて解説してきました。また福祉車両の種類などについても紹介していますが、介護の現場において利便性の向上や不便の解消を図るためにも導入、もしくは利用することはおすすめです。
消費税の非課税や自動車税環境性能割などの減免措置が受けられるメリットは大きく、介護事業所としても経費削減につながることでしょう。
介護で活用できる福祉車両ですが、本記事でもまとめたメリットやデメリットなどから、事業所の目的と用途に合致した種類を選ぶことが重要です。