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2026年1月30日 【最終更新日】2026年1月30日

介護・福祉の知識

福祉車両はどのメーカーがいい?後悔しない選び方をプロが解説

「福祉車両、結局どのメーカーを選べばいいの?」

この質問の裏には、単なる好奇心ではなく、失敗できない切実さがあります。通院、デイサービスの送迎、久しぶりの外出——車は介護生活の動脈です。選び間違えれば、毎日の負担が何倍にも膨れ上がります。

先に結論を言います。福祉車両選びは、メーカー名で決めるより「使い方のタイプ」を先に固めるのが正解です。

この記事では、メーカー選びで迷っている方が本当に知るべき「選び方の軸」と「失敗しないチェックポイント」を、具体例とともに解説します。

なぜ「メーカー名」で選ぶと失敗するのか

カタログを見ると、トヨタ、日産、ホンダ、スズキ——どのメーカーも魅力的な福祉車両を用意しています。でも、ここに落とし穴があります。

「有名メーカーだから安心」では、現場の詰みポイントを回避できません。

実際に起こりがちな失敗例:

  • スロープを開くスペースが駐車場になくて使えない
  • 車いす固定ベルトの位置が利用者の体格と合わない
  • 介助動作が想像以上に大変で、介助者の腰を痛めた
  • 長距離移動で乗車姿勢が安定せず、利用者が疲れてしまう

これらはすべて、**メーカーではなく「タイプ選びのミス」**が原因です。

最初に決めるべきは「乗り方のタイプ」

福祉車両は大きく2つに分かれます。どちらを選ぶかで、快適さも介助負担もまったく変わります。

タイプ①:シートへ移乗するタイプ

特徴:
回転シート、昇降シート、リフトアップシートなどを使い、車いすから車のシートへ乗り移る方式です。

向いている人:

  • 車いすは使うが、介助があればシートへ移れる
  • 長距離移動が多く、乗車中の姿勢を安定させたい
  • 介助者が隣で見守りたい

メリット:

  • 乗車中がラクで、長時間のドライブにも対応しやすい
  • 家族との会話がしやすい
  • 普通車に近い感覚で運転・同乗できる

デメリット:

  • 毎回の移乗動作が必要(介助者の腰に負担がかかることも)
  • 移乗が難しい状態の方には不向き
  • 車いすは別途、車内に収納する必要がある

ホンダの「助手席リフトアップシート」などは、助手席への乗り降りをスムーズにする代表例です。家族でのお出かけや通院など、比較的短時間の移動に適しています。

タイプ②:車いすのまま乗車するタイプ

特徴:
スロープやリフトを使い、車いすに座ったまま車内へ乗り込む方式です。

向いている人:

  • 移乗が難しい、または毎回の移乗が大きな負担
  • デイサービスや施設への送迎頻度が高い
  • 介助者の身体的負担を最小限にしたい
  • 介護タクシーなど、送迎業務で使う

メリット:

  • 移乗作業が不要で、安全性・再現性が高い
  • 送迎の回転数を上げやすい(時短になる)
  • 利用者も介助者も、身体的ストレスが少ない

デメリット:

  • 後方や側面にスロープを展開するスペースが必要
  • 車いす固定やスロープ操作の手順を覚える必要がある
  • 車内でのコミュニケーションが取りづらい場合も

重要な判断基準:
「介助する人にとって簡単なのは、車いすのまま乗り降りできるタイプ」という声は、介護現場で圧倒的に多いです。毎日の送迎で疲弊しないためには、移乗の有無が決定的な差になります。

「メーカーの強み」を紹介

タイプが決まれば、次は各メーカーの特色を見ます。主要メーカーは福祉車両を「シリーズ」として展開しており、選び方サポートや試乗体制が整っています。

トヨタ:ウェルキャブ

特徴:
「困りごとから選ぶ」「ボディタイプから選ぶ」など、公式サイトの選択導線が非常に親切です。ラインナップも豊富で、軽自動車からミニバン、商用バンまで幅広く対応しています。

強み:

  • 情報量が多く、比較検討しやすい
  • ディーラー網が広く、全国どこでもメンテナンス対応しやすい
  • 福祉車両専用の展示車・試乗車が用意されている拠点も多い

日産:ライフケアビークル(LVC)

特徴:
NV200
バネットの「車いす2名仕様」など、送迎に特化したモデルが充実しています。商用利用を想定した耐久性の高さも評価されています。

強み:

  • 送迎業務向けのラインナップが明確
  • 車いす複数台対応モデルがある
  • メンテナンス性が高く、長期使用に向いている

スズキ:WITHシリーズ

特徴:
軽自動車ベースの福祉車両が中心で、価格帯も比較的抑えめです。N-BOXやスペーシアなど、日常使いしやすいモデルが揃っています。

強み:

  • 初期費用を抑えやすい
  • 小回りが利き、狭い駐車場でも使いやすい
  • 燃費が良く、ランニングコストも低め

ホンダ:福祉車両シリーズ

特徴:
助手席リフトアップシートやスロープタイプなど、家族利用を想定した設計が特徴です。N-BOXベースの福祉車両は人気が高く、街乗りにも違和感がありません。

強み:

  • デザイン性が高く、「福祉車両感」が少ない
  • 普段使いと兼用しやすい
  • 室内空間が広く、快適性が高い

結論:
「どのメーカーがいい?」は、実際には
**
「自分に必要なタイプを、そのメーカーがどれだけ選びやすく・試しやすく・維持しやすいか」**という視点で判断すべきです。

失敗しない選び方|4つの現実条件を書き出す

メーカーを絞る前に、紙とペンを用意して、次の4項目を書き出してください。

利用者の状態

  • 使用する車いすは手動?電動?
  • シートへの移乗は可能?難しい?
  • 体格(身長・体重)
  • 座位保持の状態

介助者の状況

  • 一人で介助する?二人体制?
  • 腰痛や体力に不安はある?
  • 運転するのは誰?(家族?ヘルパー?)

駐車・利用環境

  • 自宅の駐車場の幅と奥行き
  • 後方や側面にスロープを開くスペースはある?
  • よく行く病院や施設の乗降場所の広さ
  • 屋根付き駐車場か?屋外か?

移動の頻度と距離

  • 毎日送迎する?週に数回?
  • 移動距離は片道何km
  • 高速道路を使う長距離移動はある?

この4項目が明確になれば、迷いは9割消えます。

たとえば:

  • 「毎日短距離送迎+駐車場が狭い」軽自動車ベースの車いす仕様
  • 「週1回の通院+移乗可能」回転シート・昇降シート
  • 「介護タクシー+1日複数件」スロープ式のバン(NV200、ハイエースなど)

このように、条件を固定すれば、選ぶべき車は自然と絞られます。

「リフト メーカー」で検索する人が見落としがちな重要ポイント

「リフト メーカー」というキーワードで検索する方は、すでに一歩踏み込んだ検討段階にいます。ここで整理しておきたいのは、「車のメーカー」と「リフト・架装のメーカー」は別物だということです。

福祉車両は「車+架装」の組み合わせ

福祉車両の多くは、ベース車両に対して専門メーカーが「リフト」や「スロープ」などの装置を後付けする形で製造されています。

特にバンやバスなど、送迎用途の車両では、装置選びが満足度を大きく左右します。

代表的なリフト・架装メーカー

日本リフト株式会社
車いす用チェアリフトのラインナップが豊富で、車内架装タイプやバスのドア兼用タイプなど、用途に応じた製品を提供しています。

見るべきポイント:

  • 積載方式(車内架装/ドア兼用など)
  • 点検・修理体制(リフトが故障すると送迎が止まるため、メンテ体制は重要)
  • 操作の簡便性(介助者が直感的に使えるか)

車椅子収納リフト
「車いすを安全に車へ積み込む」ための装置もあります。最大40kgまで電動でアシストするタイプなど、介助者の負担を大幅に軽減できる製品が登場しています。

見るべきポイント:

  • 対応重量(手動車いす・電動車いすの重さ)
  • 取り付け位置(トランク?屋根?)
  • 介助者の動線(腰をかがめずに使えるか)

なぜこれが重要か?
同じ「スロープ式」でも、架装メーカーによって操作性や耐久性が異なります。特に業務用途では、故障時のサポート体制が事業継続に直結するため、車のメーカーだけでなく、装置メーカーも確認しておくべきです。

購入前に「試す」ことが最強の失敗回避策

カタログやWebサイトでどれだけ調べても、実際に乗ってみないと分からないことが必ずあります。

現場で起こる「想定外」の例

  • スロープの角度が急で、介助者一人では不安
  • 固定ベルトの位置が微妙にズレて、毎回調整が必要
  • 車いすのタイヤ幅とスロープ幅がギリギリ
  • 乗降時の音や振動が、利用者にストレスを与える

こうした「現場ズレ」を防ぐには、購入前に複数台を試乗・比較することが理想です。

しかし、ディーラーだけでは在庫や展示車が限られていることも多く、比較検討が難しい場合があります。

専門店という選択肢

ここで有効なのが、福祉車両に特化した専門店です。

専門店のメリット:

  • 複数メーカー・複数タイプの在庫を一度に比較できる
  • 福祉車両取扱士など、専門知識を持つスタッフが相談に乗ってくれる
  • 購入だけでなく、修理・メンテナンス・レンタルまで一貫対応
  • 中古車も選択肢に入るため、予算の幅が広がる

たとえば、福祉車両専門店「フクシィ」では、購入・買取・修理・レンタルまで対応しており、利用者の状況をヒアリングしたうえで最適な車両を提案しています。

「まずは短期レンタルで試してから購入を決めたい」という相談も可能なため、失敗リスクを大幅に減らせます。

よくある質問(Q&A)

Q1. 結局、おすすめのメーカーはどこですか?

  1. トヨタ(ウェルキャブ)、日産(ライフケアビークル)、スズキ(WITHシリーズ)など、福祉車両をシリーズ化しているメーカーは、選び方サポートや情報提供が充実しており、候補にしやすいです。

ただし、最終的には「あなたの使い方×タイプ」で決めるのが正解です。メーカー名だけで選ぶと、現場で詰む可能性があります。

Q2. スロープとリフト、どちらがいいですか?

  1. 送迎頻度が高く、安全性と再現性を重視するなら「車いすのまま乗車できるスロープ・リフトタイプ」が有利です。

ただし、駐車環境で後方スペースが取れない場合や、移乗が可能な利用者であれば、移乗タイプ(回転・昇降シート)の方が快適なこともあります。

Q3. 介護施設や介護タクシーでよく選ばれる車種は?

  1. 送迎用途では、トヨタ・ハイエース、日産・NV200バネット、日産・キャラバンなどのバンタイプが人気です。

軽自動車では、ホンダ・N-BOX、スズキ・スペーシア、ダイハツ・タントなどのスロープ仕様がよく選ばれています。

Q4. 「リフト メーカー」まで気にした方がいいのは、どんな人ですか?

  1. バンやバスに架装を後付けする場合や、送迎業務で高い稼働率が求められる方は、リフト・架装メーカーの信頼性やメンテナンス体制まで確認しておくべきです。

日本リフトなど、専門メーカーのラインナップや点検体制を事前に調べておくと安心です。

Q5. 新車と中古車、どちらがおすすめですか?

  1. 予算に余裕があり、最新の安全装備や保証を重視するなら新車。初期費用を抑えたい、または短期間での買い替えを想定しているなら中古車も有力な選択肢です。

中古の福祉車両は、専門店で整備済み・保証付きのものを選べば、コストパフォーマンスが高いです。

Q6. 購入後のメンテナンスで注意すべきことは?

  1. 福祉車両は、リフトやスロープなどの「架装部分」の定期点検が重要です。故障すると送迎や外出ができなくなるため、購入時にメンテナンス体制を確認しておきましょう。

ディーラーだけでなく、福祉車両専門の修理工場や専門店と繋がっておくと、緊急時も安心です。

Q7. 補助金や助成制度は使えますか?

  1. 自治体によっては、福祉車両の購入費用や改造費用に対する助成制度があります。消費税の減免措置が適用される場合もあるため、購入前に市区町村の福祉課や福祉車両販売店に確認することをおすすめします。

 

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