コラム

Column

2024年10月18日 【最終更新日】2024年10月13日

介護・福祉の知識

福祉車両の基本的な点検項目

福祉車両の定義と多様な種類

福祉車両とは、高齢者や障がいのある方の移動をサポートするために特別に設計・改造された自動車のことです。一般的な車両とは異なり、乗り降りや車内での快適性に配慮した様々な特殊装備を備えています。

福祉車両の種類は多岐にわたり、使用者のニーズに合わせて選択できます。代表的なものとして、車いすのまま乗り込めるスロープ付き車両や、リフト装置を搭載した車両があります。さらに、手動運転装置を装備した自操式の車両や、介助者が操作しやすいよう設計された介護タイプの車両なども存在します。

最近では、ミニバンやワゴンタイプをベースにした福祉車両が増えており、家族での外出にも対応できる汎用性の高いものも人気です。また、コンパクトカーをベースにした福祉車両も登場し、都市部での使用や駐車のしやすさを重視する方にも選択肢が広がっています。

福祉車両を選ぶ際は、使用者の身体状況や生活スタイル、介助者の有無などを総合的に考慮することが大切です。また、将来的な身体状況の変化も見据えて、適応性の高い車両を選択することをおすすめします。

日常点検の重要性と効果的な実施方法

福祉車両の日常点検は、安全性の確保と快適な移動を実現するために欠かせません。一般の車両以上に細やかな注意が必要となるため、系統的なアプローチで点検を行うことが重要です。

効果的な日常点検の第一歩は、チェックリストの作成です。車両の外観、タイヤ、ライト類、エンジンルーム内の確認項目に加え、福祉装備の動作確認などを含めた包括的なリストを用意しましょう。このリストを使用することで、点検漏れを防ぎ、効率的に作業を進めることができます。

点検の頻度は、使用状況によって異なりますが、基本的には乗車前と降車後の2回実施することをおすすめします。乗車前の点検では、その日の走行に影響する項目を中心にチェックし、降車後の点検では次回の使用に向けた準備と、走行中に気づいた異常の確認を行います。

特に注意が必要なのは、福祉装備の動作確認です。リフトやスロープ、車いす固定装置などは、使用頻度が低くても定期的な動作確認が欠かせません。これらの装備が正常に機能しないと、乗降時の事故や走行中の安全性低下につながる恐れがあるからです。

日常点検を習慣化するコツは、点検作業を日々の生活リズムに組み込むことです。例えば、朝の点検を朝食前のルーティンに、夕方の点検を夕食の準備前に行うなど、生活の中に自然と溶け込むように工夫しましょう。

また、点検結果を記録することも重要です。日付と共に気づいた点をメモしておくことで、車両の状態の変化を把握しやすくなり、早期のメンテナンスにつながります。スマートフォンのメモアプリやカレンダーアプリを活用すれば、より手軽に記録を残すことができるでしょう。

エンジンオイルとフィルターの適切な管理

福祉車両のエンジンオイルとフィルターの管理は、車両の寿命と性能に直結する重要な要素です。特に福祉車両は、頻繁な短距離走行や長時間のアイドリングなど、エンジンに負担がかかりやすい使用条件下にあることが多いため、より慎重な管理が求められます。

エンジンオイルの役割は、エンジン内部の潤滑、冷却、清浄、密閉の4つです。適切な粘度と量のオイルが循環することで、エンジンの摩擦を減らし、熱を効率よく逃がし、不純物を取り除き、シリンダー内の気密性を保ちます。一方、オイルフィルターは、オイル中の不純物を捕捉し、クリーンなオイルをエンジンに供給する役割を担っています。

エンジンオイルの点検は、平坦な場所で車両を停止させ、エンジンを切ってから数分後に行います。オイルレベルゲージを抜き取り、きれいな布でふいた後再び差し込み、適正レベルにあるかを確認します。この際、オイルの色や粘度にも注目しましょう。黒ずんだり、著しく粘度が低下しているようであれば、交換時期の目安となります。

オイル交換の頻度は、一般的に走行距離5,000km〜10,000kmごと、もしくは6ヶ月〜1年ごとと言われていますが、福祉車両の場合はより頻繁な交換が望ましいでしょう。短距離走行が多い場合、エンジンが十分に暖まる前に走行を終えることが多く、オイルの劣化が早まる傾向にあるからです。

オイルフィルターの交換も重要です。一般的にはオイル交換の際に同時に行いますが、使用状況によってはオイル交換2回に1回のペースでの交換も考えられます。ただし、福祉車両の場合は、エンジンへの負担が大きいことを考慮し、毎回のオイル交換時にフィルターも交換することをおすすめします。

適切なオイルの選択も重要です。車両メーカーが推奨する粘度グレードのオイルを使用することが基本ですが、福祉車両の特殊な使用条件を考慮し、より高性能な合成油の使用を検討するのも一案です。合成油は高温時の安定性に優れ、エンジン内部の清浄性も高く保つことができます。

最後に、エンジンオイルの管理は環境保護の観点からも重要です。使用済みのオイルは適切に処理する必要があります。多くのガソリンスタンドや整備工場では、使用済みオイルの回収を行っていますので、これらの施設を利用するのが望ましいでしょう。自己処理する場合は、地域の規則に従って適切に廃棄することが求められます。

このように、福祉車両のエンジンオイルとフィルターの管理は、車両の性能維持と長寿命化、さらには環境保護にもつながる重要な作業です。定期的かつ適切な管理を心がけることで、安全で快適な移動手段としての福祉車両の価値を最大限に引き出すことができるのです。

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