福祉車両選びの際の予算の考え方
中古福祉車両購入の第一歩:徹底的な事前調査と準備
中古福祉車両の購入を考える際、最初に行うべきは徹底的な事前調査です。
新車と異なり、中古車には個体差があるため、この段階が特に重要になります。まずは、自身や家族のニーズを明確にしましょう。必要な改造の種類、乗車人数、使用頻度、運転者の状況など、細かな点まで洗い出します。
次に、福祉車両の種類や機能について学びます。
スロープタイプ、リフトタイプ、回転シートタイプなど、様々な形式があります。各タイプの特徴や、適している障害の種類などを理解しておくことで、自分に最適な車両を見つけやすくなります。
また、中古福祉車両特有の注意点も押さえておく必要があります。
例えば、一般の中古車よりも走行距離が少ない傾向にありますが、その分、長期間駐車されていたケースも多いです。これは、バッテリーやタイヤの劣化、ブレーキの錆びなどの原因になる可能性があります。
さらに、福祉機器の使用頻度や使用方法によって、車両の状態が大きく異なることも知っておくべきポイントです。
例えば、スロープやリフトなどの可動部分は、使用頻度が高いほど摩耗が進みやすいです。一方で、ほとんど使用されていない場合は、動作不良のリスクが高まります。
これらの基礎知識を踏まえた上で、実際の購入候補となる車両を探し始めます。
ここで重要なのは、信頼できる販売店や個人売主を見つけることです。福祉車両専門の中古車販売店や、福祉車両の取り扱い実績が豊富な大手ディーラーなどを中心に探すことをおすすめします。
見落としがちな重要ポイント:福祉機能の詳細チェック
中古福祉車両を購入する際、多くの人が見落としがちなのが福祉機能の詳細チェックです。
外観や走行性能だけでなく、福祉機能の状態を細かく確認することが極めて重要です。
まず、スロープやリフトなどの昇降装置については、スムーズに作動するかどうかを実際に確認しましょう。
動作時の異音や振動、スピードの不自然さなどに注意を払います。また、最大積載重量や耐荷重なども確認し、使用者の体重や使用する車椅子の重量に適しているかを判断します。
回転シートタイプの場合は、回転や昇降のスムーズさはもちろん、シートの固定状態や、シートベルトの機能性なども重要なチェックポイントです。
使用者の体格に合っているか、長時間の乗車でも疲れにくい構造になっているかなども考慮に入れましょう。
車内の手すりや固定具については、しっかりと固定されているか、錆びや劣化がないかを確認します。
これらは安全性に直結する部分なので、特に慎重なチェックが必要です。
また、福祉車両によっては専用のリモコンや操作パネルが付属している場合があります。
これらの動作確認も忘れずに行いましょう。バッテリー切れや接点不良などのトラブルが起きていないか、全ての機能が正常に作動するかを確かめます。
さらに、車椅子の固定装置については、種類や使用方法を確認するとともに、実際に使用する車椅子とのサイズの適合性も重要です。
固定が不十分だと走行中の安全性が損なわれる可能性があるため、慎重に検討する必要があります。
これらの福祉機能は、一般的な中古車にはない特殊な装備です。そのため、点検や修理に専門知識が必要となる場合が多々あります。
購入を検討している車両について、近隣に対応可能な整備工場があるかどうかも事前に確認しておくと安心です。
将来を見据えた選択:メンテナンスと車両の寿命
中古福祉車両を選ぶ際、現在の状態だけでなく、将来的な維持管理についても考慮することが大切です。
一般の中古車以上に、メンテナンスや修理のコストが発生する可能性が高いためです。
まず、車両の製造年と走行距離を確認しましょう。福祉車両は一般車両よりも使用期間が長くなる傾向にあるため、製造から10年以上経過している車両も珍しくありません。
ただし、古すぎる車両は部品の調達が難しくなる可能性があるので注意が必要です。
次に、これまでの整備履歴を詳しくチェックします。定期的なメンテナンスが行われているか、大きな修理歴はないかなどを確認します。
特に、福祉機能に関する整備や修理の記録は重要です。これらの情報から、今後必要となるメンテナンスの頻度や費用を予測することができます。
また、燃費性能にも注目しましょう。福祉車両は改造によって重量が増加しているため、一般車両よりも燃費が悪くなる傾向があります。
長期的な使用を考えると、燃費の良し悪しは大きな違いとなって現れます。
さらに、車両の構造上の特徴も考慮に入れます。例えば、スロープタイプの車両は、スロープを収納するスペースの分だけ室内空間が狭くなります。
リフトタイプは室内空間を広く使えますが、機構が複雑なためメンテナンスコストが高くなる傾向があります。これらのトレードオフを理解した上で、長期的な使用に適した選択をすることが重要です。
加えて、福祉機器のメーカーや型式も重要な選択基準となります。
信頼性の高いメーカーの製品を選ぶことで、故障のリスクを低減できます。また、一般的な型式の製品を選ぶことで、部品の調達やメンテナンスがしやすくなります。
最後に、車両の寿命について考えてみましょう。一般的に、福祉車両は通常の車両よりも長期間使用されることが多いです。
そのため、購入時点での状態が良好であっても、5年後、10年後の使用を見据えた選択が求められます。使用者の身体状況の変化や、介護者の状況変化なども考慮に入れ、将来的なニーズにも対応できる車両を選ぶことが理想的です。
このように、中古福祉車両の購入は単なる車選びではなく、長期的な生活設計の一部として捉えることが大切です。
現在のニーズを満たすだけでなく、将来の変化にも柔軟に対応できる車両を選ぶことで、真に満足度の高い選択ができるでしょう。
下記のYoutube動画で、福祉車両の選び方など解説しております。
よろしければ合わせてご覧ください。