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2023年3月28日 【最終更新日】2023年7月21日

介護・福祉の知識

福祉車両を購入する際に活用できる税金とは?優遇税制と助成制度について解説!

車を購入する場合は、消費税などの税金が購入費に含まれます。福祉車両の場合は、車体本体などの消費税が免除もしくは減税される場合があります。
しかし、福祉車両の税金の優遇税制や助成制度の概要について知らない人もいることでしょう。
本記事では、福祉車両を購入する際に活用できる優遇税制や助成制度などについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。

福祉車両を購入する際に活用できる税金とは?

本来車を購入する場合は、消費税や自動車税などの税金を負担しなければなりません。車の税金は所有している期間、負担し続ける必要があるため家庭への経済的な負担が大きいでしょう。

しかし、福祉車両の場合は、要件を満たせば税金の減税や助成を受けることが可能です。福祉車両の優遇税制とは購入する際にかかる税金の免税・減税を受けられる制度のことです。
福祉車両の優遇税制には、大きくわけて2つあります。下記にまとめました。

●消費税が非課税になる
●軽自動車税/自動車税(種別割・環境性能割)が減免になる

それぞれの優遇税制について詳しくみていきましょう。

消費税が非課税になる

通常の車購入の場合は、車両本体や修理に消費税が課税されます。しかし、福祉車両の場合は、車両本体の消費税が非課税となります。
また、オプション品や修理費についても、非課税になる場合があります。
下表にまとめました。

車両本体に対する消費税 車いす等の昇降装置と、車いす等を固定するための装置を備えた車は、車両本体の消費税が非課税となる
部用品に対する消費税 部用品のうち、車両引渡し時に、福祉車両に装備される場合は、消費税が非課税になる(身体障害者用自動車に該当する付属品を含めた全体が消費税非課税)
修理に対する消費税 消費税が非課税になるのは福祉装備(スロープ、昇降シート等)が故障し、修理する場合

※福祉の架装部分以外の修理費は課税。
※修理に必要な部品の仕入れは課税。
※修理に使用するのではなく部品単体での売上は課税。

消費税非課税となる場合と、非課税にならず課税対象となる場合もあるため、留意する必要があるでしょう。

軽自動車税/自動車税(種別割・環境性能割)が減免になる

要件を満たす場合は、自動車税の減免を受けられます。具体的にどんな要件なのか解説します。
障がい者手帳の等級や障がい者の家族が所有する自動車で一定の要件を満たす場合、自動車税(種別割)や環境性能割の減免対象となります。
なお、障がい者本人が運転する場合と家族に運転してもらう場合では、該当する範囲が異なるため、留意しましょう。

また、障がい者本人の自動車税(種別割)を減免する制度なため、家族名義では減免を受けることはできません。
3月31日までに名義変更すれば、翌年度から納税通知書は障がい者本人に送付されるため、減免申請が可能です。 障がい者本人が18歳未満・知的障がい者・精神障がい者である場合は、家族名義でも減免申請できます。
減免の対象となる障がい者の範囲については、各自治体のホームページで確認するもしくは、直接自治体に問い合わせるとよいでしょう。

車の維持費について

車にかかる維持費用などが年々増加傾向にあります。車の税金も維持費としてかかるため、家計への負担は大きいといえるでしょう。
また、駐車場代や自動車保険料なども維持費に含まれるため維持費が高騰しやすいのが現状です。
福祉車両でもガソリン代や自動車保険料など維持費が必要なため、一般的な車所持者と同様負担が大きいです。

ソニー損保「2022年 全国カーライフ実態調査」によると、車の維持費で負担に感じるものという調査では、ガソリン代・燃料費約68%、自動車税約68%、車検・点検費約64%と高い割合を占めています。
近年ウクライナ情勢などの影響でガソリン価格が高騰しているため、ガソリン代・燃料代を負担に感じる人が増加傾向にあるでしょう。
自動車税や車検・点検費も定期的に負担しなければならないため負担に感じやすい要因です。
また、事故に遭ったり、事故を起こしてしまったりした場合、修理費など負担が増えてしまうこともあります。車は便利な乗り物ですが、便利な故にコストが高くなりやすいため留意しましょう。

同じくソニー損保「2022年全国カーライフ実態調査」の1ヵ月あたりの車の維持費についての調査によると、各ボディータイプの1ヵ月あたりの維持費は10,000円〜20,000円となっています。
福祉車両以外の車の場合でかなりの維持費がかかり負担に感じている人が増加傾向にあります。少しでも負担を軽減したいと考えている人もいることでしょう。
福祉車両の場合は、要件を満たせば税金の免除・減税などが受けられるため、負担軽減のためにも活用することをおすすめします。

福祉車両の助成制度について

優遇税制について理解したところで、次に福祉車両の助成制度について解説していきます。
下記にまとめました。ご覧ください。

●福祉車両の購入資金の貸付
●福祉車両の購入資金の助成
●運転免許取得に関する費用の貸付
●運転免許取得に関する費用の助成
●自動車を福祉車両に改造する資金の助成

それぞれの制度について詳しくみていきましょう。

福祉車両の購入資金の貸付

身体が不自由な人が、生業もしくは通院・通学・通勤などの日常生活や社会活動のために必要な自動車を購入する際に、資金の貸付を受けることができます。
貸付の要件や審査基準など自治体によって異なる場合があるため、各地域の福祉事務所や社会福祉協議会にお問い合わせください。

福祉車両の購入資金の助成

個人ではなく身体の不自由な人を雇用する事業主に対して助成されます。身体の不自由な雇用者が通勤に必要とする通勤自動車の購入・駐車場の貸借等に適用されます。
法人向けの助成のため、要件が複雑です。詳しくは、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構、公共職業安定所にお問い合わせください。

運転免許取得に関する費用の貸付

障がい者が生業(自営業)を営み、または就職するために必要な知識技能を身に付ける経費として、運転免許の取得に関する費用に対して、貸付が受けられます。貸付に関する詳細は、運転免許試験場、運転免許センター運転適正窓口に問い合わせしましょう。

運転免許取得に関する費用の助成

お身体の不自由な人が、自動車運転免許の取得により就労等が見込まれる場合、要する費用の一部が助成されます。
ただし、就労等が見込まれない場合助成を受けられない可能性があるため、留意しましょう。
詳しく知りたい人は、運転免許試験場、運転免許センター運転適正窓口に問い合わせください。

自動車を福祉車両に改造する資金の助成

就労等に伴って身体の不自由な人が、自動車を福祉車両に改造する場合、改造経費が助成されます。各地方公共団体の役場福祉担当課に問い合わせをすることをおすすめします。

福祉車両の優遇制度について

ここまで優遇税制や助成制度について解説してきましたが、福祉車両購入後に活用できる制度があります。
しかし、その他の優遇制度について知らない人もいることでしょう。下記にまとめました。

●駐車禁止規定の適用除外
●有料道路の通行料金割引
●自動車用燃料費の助成
●カーフェリー旅客運賃の割引

それぞれの制度について詳しくみていきましょう。

駐車禁止規定の適用除外

障がい者が車を使用するにあたり、駐車禁止規制が適用されなくなる事を証明する標章を交付される制度のことです。 この標章を受けた人は、道路沿いのパーキングメーター等や「駐車禁止」の標識区間が設置してある時間制限駐車区間に駐車する事が可能です。
各都道府県の所轄の警察署に問い合わせをして確認するのがよいでしょう。

有料道路の通行料金割引

要件を満たすと障がい者が高速などの有料道路を通行する料金の割引を受けることができます。
各地域の福祉事務所によって要件が異なる場合があるため、問い合わせをすることをおすすめします。

自動車用燃料費の助成

障がい者が使用する自家用車の燃料費の助成を受けられる場合があります。ガソリンなどの燃料費が高騰していることもあり、燃料費の助成を活用したほうが負担軽減につながります。
お住まいの役場福祉担当課に問い合わせて要件の確認をしたほうがよいでしょう。

カーフェリー旅客運賃の割引

障がい者が車でフェリーを利用する際の旅客運賃の割引を受けられる場合があります。
フェリー会社によって要件が異なる場合があるため、利用するフェリー会社に問い合わせしましょう。

福祉車両の優遇税制と助成制度に関連したQ&A


Q1.福祉車両購入する際に優遇税制を具体的にどのくらい負担軽減につながりますか?
    A1.例えば、車体価格100万円の福祉車両を購入するとします。通常は、車体価格に対して消費税が課されます。この場合消費税は10%、10万円となります。この10万円を免除されることになるため、かなり負担軽減になるでしょう。

Q2.各制度に必要な書類は何ですか?
    A2.各制度、各地方公共団体によって要件や、必要な書類が異なるため、購入する前に自動車販売店や各地方公共団体に問い合わせをして確認するのをおすすめします。

Q3.障がい者以外の人でも優遇税制や助成金制度を利用できますか?
    A3.福祉車両の優遇税制はや助成金制度は、原則障がい者本人のみです。しかし、制度や地方公共団体によっては、障がい者本人だけでなくその家族までが対象の場合があるため、一部例外はあるでしょう。

Q4.名義変更して自動車税の免税を申請する場合免税となるのはどの年度から適用?
    A4.まず家族名義から障がい者本人に名義変更する必要があります。3月31日までに名義変更すれば、翌年度から納税通知書は障がい者本人に送付されるため、減免申請が可能です。そのため、早くても翌年度から減免となります。

Q5.福祉車両なら必ず非課税になりますか?
    A5.福祉車両には、非課税にならず課税される場合があります。例えば、車いすのまま車に乗るタイプならば、非課税となります。しかし、助手席や後部座席が回転・昇降するタイプは、課税対象となります。

ケースによって異なる場合があるため、非課税・課税のどちらの対象になるのか購入前に販売店などに確認しましょう。

まとめ

今回は、福祉車両を購入する際に活用できる優遇税制や助成制度などについて解説しました。
また、福祉車両購入後に活用できる助成制度についても紹介しましたが、各自治体に問い合わせをして確認することが重要といえるでしょう。
本記事で紹介した内容を参考に、福祉車両を購入する際に活用してください。

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