車椅子マークの意味とは?パーキング・パーミットの利用証や申請方法などを解説!
公共施設・病院・商業施設など様々な施設や場所で、車椅子マークの活用が推進されています。また障害者・高齢者・車椅子の人などが車に同乗していることを示すため、使用する場合もあります。
しかし、車椅子マークの本来の意味やどうすれば車椅子マークを使用できるかわからない人もいることでしょう。車椅子の人だけが利用するマークが車椅子マークだと誤解している場合もあるため、正しい意味と知識を理解することが大切です。
本記事では、車椅子マークの本来の意味やパーキング・パーミット制度の利用証、申請方法などについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
車椅子マークの正しい意味は?
車椅子マークの正式な名称は、「国際シンボルマーク」と呼びます。「すべての障害者が活用できる建物、施設であることを示す世界各国共通のシンボルマーク」という意味が込められています。
マークそのものが車椅子を描写しているため、車椅子の人のみが対象の施設や設備のことだと、間違って解釈される場合もあります。しかし「すべての障害者」が対象なため、留意する必要があります。
日本障害者リハビリテーション協会 情報センター発行によると、国際リハビリテーション協会が1969年アイルランドのダブリン市で開催したRI総会で採択したものとのこと。当時、世界各国にあった車椅子マークを統一して、障害者の物理的環境改善のために使用することを目的に採択されました。
車椅子の人だけでなく他の障害者も使用できるため、すべての障害者・高齢者にとって利用しやすいマークといえるでしょう。
様々な施設や場所で車椅子マークが導入されており、障害者も安心して暮らしやすい環境になり始めているため、今後の需要も高まるのではないでしょうか。
それでは、車椅子マークの特徴や社会的需要について詳しくみていきましょう。
車椅子マークの概要
車椅子マークの概要や特徴について、下記にまとめました。
・障害者なら誰でも利用できる
・車椅子マークが色々な人の目に止まる事で安全性や認知度が高まる
・障害がある人が利用できる建物、施設であることを示している
それでは、詳しくみていきましょう。
障害者なら誰でも利用できる
車椅子の人だけが利用できると誤解されている人もいることでしょう。しかし、車椅子マークは車椅子の人だけでなくすべての障害者や高齢者も利用できます。
身体が不自由な人や高齢者は、車の駐車に難儀した経験がある人もいることでしょう。
車椅子マークを利用することで駐車しやすくなるのが大きなメリットといえます。
車椅子マークが色々な人の目に止まる事で安全性や認知度が高まる
障害者や高齢者以外の人も車椅子マークを見かけることで認知し、配慮をしやすいでしょう。
車椅子マークのステッカーを貼っている車の場合は、車椅子の人や障害者・高齢者などが乗車している他の車に対して示しているので、事故防止にもつながります。
障害がある人が利用できる建物、施設であることを示している
色々な施設や場所にある駐車スペースに車椅子マークがある場合、障害者が利用できることを示しています。
場所によっては、スロープが隣接している場合があるため乗り降りなど安心して行いやすいです。
車椅子マークの需要
車椅子マークの駐車スペースは病院・公共施設・商業施設など、色々な場所で設置されています。また、日本福祉車両未来研究会の発表によると、身体障害者用車両限定運転免許の保有者数が平成11年190,170人から平成20年には209,127人に増加しています。
また国土交通省は令和2年に改正されたバリアフリー法に基づき、公共交通施設や建築物等のバリアフリー化の推進を目指しています。
このような社会的背景から、今後も車椅子マーク・パーキング・パーミット制度を利用する需要の伸びが想定されます。
車椅子マークが利用される場面
公共施設や様々な場所に車椅子マークの導入が進んでいるため、利用対象者は利用できます。
しかし、申請して利用証を交付されないと原則利用できません。交付を受ければ、日常生活においてさまざまな場面で活用できます。
主な目的や用途について、下記にまとめました。
・買い物
・私事の用事
・病院受診
・福祉施設の利用 など
また、パーキング・パーミットの駐車区画に駐車する際は、スロープが併設されているかなど事前に確認したほうが安心できるでしょう。
さらに、福祉タクシーは、高齢者や障害のある人などのニーズに合わせた選び方が重要です。日々の生活で重宝している人もいれば、一時的な怪我で利用するケースも想定されます。
それぞれのニーズに合わせた使い方をすることが重要ですが、存在の知名度が低く、まだまだ世間的にも正しく理解されていない仕組みです。
そのため分からないことがあれば、公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会に問い合わせたり、各地方公共団体に相談したりすることで解消できるでしょう。
車椅子マークのマナー違反等の罰則や法律の効力
車椅子マークの特徴や需要については理解できたと思いますが、次は車椅子マークのマナー違反等の罰則や法律の効力について解説していきます。
その概要について、下記にまとめました。
法的効力:車椅子マークの駐車スペースを健常者が利用したなど、トラブルが起きても法的効力はない
罰則の有無:原則、罰則はない
それでは、さらに詳しくみていきましょう。
健常者がパーキング・パーミット駐車区画に車を駐車するなど、マナーが悪い行為があっても具体的な法の定めがないため、健常者が駐車しても罰則はありません。
しかし、車椅子マークは原則障害がある人や高齢者など利用することを想定して作られたため、罰則がないからといってマナーを守らないのはよくありません。
また車に車椅子マークを貼っていない場合でも罰則はありません。
一方で、一部の健常者がマナーを守らずに、車椅子マークの駐車スペースを利用するケースがあるのも事実です。マナーを守らない人がいると、障害者や高齢者などが車椅子マークを利用できないなどの弊害が生じます。
健常者や障害者の区別なくすべての人、1人1人がマナーを守ることが望ましいでしょう。
罰則等はありませんが、障害者が安心して利用できるように、車椅子マークの駐車区画の正しい活用方法などを健常者も理解することが重要といえます。
車椅子マークの使い方・場所・マナー
ここまで、車椅子マークの意味や特徴などについて解説していきましたが、ここでは、車椅子マークの使い方・場所・マナーについて解説していきます。
車椅子マークは公共施設や商業施設など身近な場所で使われているため、1度は見たことがある人もいるのではないでしょうか。例えば、市町村の役所の駐車場など乗り降りしやすい場所に設置されている場合もあります。
しかし、社会全体では正しく理解が進んでいないのが現状です。車椅子マークの使い方・場所・マナーなど分からない人もいることでしょう。
その概要については下記にまとめました。
・車椅子マークの主な利用方法
・車椅子マークの使用できる場所
・車椅子マークの注意すべきマナー
それでは、詳しくみていきましょう
車椅子マークの主な利用方法
車椅子マークは基本的には車のミラーにかけるなど、車の分かりやすい場所に提示して利用します。
車椅子マークは他の車などに障害者等が車に乗っていることをあらわすためのマークです。
車椅子マーク駐車区画を活用する場合は、パーキング・パーミットの利用証を申請して交付を受けましょう。
車椅子マークの使用できる場所
車に提示して使ったりパーキング・パーミットの利用証を持っていれば、制度で定められた駐車区画を利用できます。主な場所としては、病院や商業施設・公共施設などです。
パーキング・パーミット制度を導入している都道府県や市町村によっては駐車区画が異なる場合があるため、利用する前に利用予定の地方公共団体に確認するとよいでしょう。
車椅子マークの注意すべきマナー
マークに車椅子が描かれているため、車椅子の人のみ利用できると勘違いしている人もいることでしょう。原則すべての障害者や介護が必要な高齢者などが対象だと認識しましょう。
しかし、健常者が利用すると本来使うべき人が利用できないなどのトラブルが起きやすくなるため留意しましょう。
パーキング・パーミット制度の利用証や交付されるための申請方法
パーキング・パーミット制度とは、公共施設や商業施設など、さまざまな施設に設置されている障害者等用駐車スペースを必要とする障害者・介護が必要な高齢者・妊産婦・けが人など歩行が困難と認められる人に利用証を交付し、適正利用を図る制度です。
現在39都道府県で導入されており、パーキング・パーミットの利用証を申請すれば利用することが可能です。
ただし、各地方公共団体によって名称や対象が異なるため、利用する際は各地方公共団体に問い合わせするとよいでしょう。
パーキング・パーミット制度について理解できても、申請方法や利用できる区画がわからなければ利用できません。
まずは、それらのポイントを下記にまとめました。
・パーキング・パーミットの利用証の申請方法
・利用できる区画
・交付後の利用の方法
それでは、詳しくみていきましょう。
パーキング・パーミットの利用証の申請方法
導入されている地方公共団体に郵送するか、最寄りの市町村役所窓口にて申請をすることができます。
郵送の場合は約2週間前後で交付され、市町村の窓口で申請する場合には原則即日交付されます。 申請の際は、申請書と障害者手帳の写しなど確認書類の提出が必要です。
利用できる区画
実際にどの区画が利用対象なのか分からない人もいることでしょう。
地方公共団体によって異なる場合がありますが原則2種類の区画になるため、概要を下表にまとめました。
・車いす使用者優先駐車区画(法定区画)
・車椅子の人でも車を乗り降りしやすいように、幅3.5m以上で一般の駐車区画より広く設けた駐車区画
・おもいやり駐車区画
・主に高齢者や妊産婦の方など、 幅が広い駐車スペースを必要としない人用の一般的な幅の駐車区画
交付後の利用の方法
パーキング・パーミットの利用証が交付された後、車椅子マークの駐車区画を利用する事になります。利用する際は車のルームミラーに利⽤証をかけるなど、⾞外から⾒えるように掲⽰しましょう。
ただし、必ずしも車椅子マークの駐車区画に駐車できることを保証されているわけではありません。利用対象者の対象範囲が、各地方公共団体によって異なる場合があることに留意しましょう。
まとめ
今回は、車椅子マークの意味とパーキング・パーミットの利用証や申請方法などについて解説してきました。
また車椅子マークの法的効力や罰則の有無も紹介していますが、様々な施設や場所において数多く活用されており、不便の解消を図るためにもその存在意義が大きいことがわかります。
本記事で紹介した内容を参考に、その特徴や使い方やルールなどから適切な場面で活用しましょう。